ピラミッドの測定値に基づく高さと底辺の基準値

1)高さと底辺の測定値に基づく大きさについて

真正ピラミッドの大きさの決定方法について次のように検討した。大きさの決定方法を解明するには、高さの基本単位を腕尺3単位(0.524m×3腕尺=1.572m)に設定して、「段数」、「底辺と高さの比」、「計算による底辺の長さ」、「セケド」 を同じ方法で求める必要がある。その数値を求めるために、1)高さと底辺の長さの測定値を基に計算する方法と、2)発表されているセケドから「底辺の長さと高さの比」を導き出して計算をする方法を行った。なお、真正ピラミッドの基準値を比較するために、同時に3基のピラミッドの計算を行った。

1高さと底辺の測定値に基づく大きさについて。

クフ王のピラミッドの高さは146.7m、底辺は230.36m(文献-1、p-182,183)、カフラー王のピラミッドの高さは143.87m、底辺は215.29m、メンカウラー王のピラミッドの高さは65.5m、底辺は105mと発表されている(文献-5)。真正ピラミッドの高さの基本単位を腕尺3単位(1.572m)に設定して、次のように大きさの基準値を計算した。

ⅰ)  段数は、( 高さ÷高さの基本単位=高さ÷1.572m ) から、クフ王では 93.32 段、 カフラー王では91.52段、メンカウラー王では41.67段。 ⅱ) 腕尺による高さは、高さ÷腕尺1単位=高さ÷0.524mから、クフ王では279.96腕尺、 カフラー王では274.56腕尺、メンカウラー王では125腕尺。 ⅲ) 底辺の長さと高さの比は、( 底辺の長さ÷高さ )から、クフ王では 1.570 、 カフラー王では 1.496、 メンカウラー王では1.603。 ⅳ) 底辺の長さの基本単位は、( 高さの基本単位×底辺と高さの比 ) から、クフ王では4.710腕尺(2.4680 m) 、カフラー王では 4.488腕尺(2.3517 m) 、メンカウラー王では 4.809腕尺(2.5199 m) 。 ⅴ) 計算による底辺の長さは、( 底辺の基本単位×段数 ) から、クフ王では、439.5372腕尺(230.3138m)、カフラー王では 、410.7418腕尺(215.2276m)、メンカウラー王では200.3910腕尺(105.0042m)。 ⅵ) セケドは、「底辺の長さ×1/2×7÷高さ」 から、クフ王では、5.496、 カフラー王では 5.237、 メンカウラー王では、5.611。 

ⅶ)腕尺3単位を新たな尺度の「1高」にすると、高さは、クフ王では93.32高、カフラー王では91.52高、メンカウラー王では41.67高となる。ⅷ)底辺の基本単位を新たな尺度の「1辺」にすると、底辺の長さは、クフ王では93.3 辺、カフラー王では91.52辺、メンカウラー王41.67辺となる。以上の結果から、高さの基本単位は設定値のため正確であるが、測定値は、設計当時の正確な数値を表していないため、「段数」、「底辺と高さの比」、「計算による底辺の長さ」、新たな尺度による「高さ」と「底辺の長さ」、および、「セケド」は予測値となる(表-1)。           

          

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