ピラミッドの大きい石の運搬路
キャップストーン等の大きい石を運搬する第3の運搬路について
1) 突出部分とピラミッドの本体内に造る方法
大きい石を運搬するには、巻き上げ機による牽引が必要となるため幅の広い運搬路が必要である。そのため、通常の運搬路とは別に、ピラミッドの南面の内側に第3経路の運搬路を設計する。その範囲は幅4辺(10m)、底辺10辺(24.685m)、高さ1高(1.57m)として、その中に幅が1/4辺(62cm)、底辺が10辺(24.685m)、高さが1高(1.57m)、勾配が3.6度の細長い斜面状の石の線路を2本設置する。石の線路の作製については考察で述べる。大きい石の運搬は、最初に、93 段目を構築して、その段に第3の経路の運搬路として、石の線路を2本造る。それを使って、大きい石を92段目へ運ぶ。その後、幅4辺の運搬路を閉鎖する。次に、92段目に2本の線路を造り、これを使って大きい石を91段目に運び、その後、運搬路を塞ぐ。同じ様に、この方法を繰り返えして、大きい石を垂直に上段へ運ぶ。また、斜面状の第3の運搬路の前後に作業場として幅5辺、長さ10辺の平面の踊り場を造る。第3の運搬路は西側の稜線から東側の突出部分に、南側から北側に向かって造る。1基を設置するためには南側から北側に30辺分の設置場所が必要となる。そのため突出部分だけでは狭いため、作業場を造れない。その対策として、本体内に第3の経路を延ばす。さらに、1基設置するごとに方向を180度変える。また、運搬路を上方に向かって垂直に造るため、前方の踊り場を造って石を運び上げた後に、後方の運搬路を閉鎖する。その後、閉鎖した部位に上方へ向かう運搬路を造る。これを使って石を上へ運ぶ。このように、同じ部位を往復しながら上方へ石を運ぶ。第3の経路の最終到達部位は、運搬路の長さの10辺と前後の踊り場の幅20辺を足した30辺の長さが収まる部位である。段の北側から運搬路のまでの長さが30辺となる段を捜すと22段目となる。その理由は、運搬路は13段目より22段目まで基本形①が10基設置されるため、13段目からの垂線の交点から運搬路までの長さは10基×1.5辺=15辺となる。これに22段目の底辺の1/2の11辺と13段目の底辺の1/2を足すと15+11+6.5=32.5 辺となる。運搬路と踊り場の長さを足した30辺より長いため、この22段目が別経路の最終到達部位となる(図-23)。この経路は大きい石を上の段に運んだ後に閉鎖するため、大きい石は、後で運び上げるのは不可能となる。従って,全ての石をあらかじめ用意して, 1段ごと上へ運ぶ。また、別経路を構築するための石は、通常の経路を使って運ぶ。大きい石の運搬路の最終到部位は22段目のため、それよ り上へのキャップストーンの運搬は梃子で全体を持ち上げて、下に石を入れて、 さらに、周囲にも石を敷いて段の平面を造りながら、順次、垂直に上へ移動させる。
大きい石の運搬路
2) 突出部分に併設する第1の運搬路に大きい石の運搬路を造る方法ついて
第1運搬路は、外側に突出部分を造り、そこに運搬路を階段状に設計するため、幅と勾配を自由に設計できる。幅を広くするには、高さの単位をピラミッドの高さの単位と同じにして、幅を広げた基本形を作る。例えば、大きい石の運搬路を第1運搬路に造る場合は基本形の幅を4辺(10m)にして、基本形①を(幅4辺、底辺10辺、高さ1高)、基本形②を(幅4辺、底辺20辺、高さ2高)、基本形③を(幅4辺、底辺30辺、高さ3高)にして、必要とする高さまで設置する。もし、13段目より93段目(地面)まで幅の広い基本形を設置した場合、基本形の設置数は基本形①が11基、基本形②が5基、 基本形③が20基で合計36基になる(図-20,21)。基本形の幅を1.5辺から4辺に広げると基本形1基の増加分の長さは(4-1.5=2.5辺)となり、36基では2.5×36=90辺になる。そのため、突出部分の長さは、幅が1.5辺の場合の突出部分の長さの14辺に増加部分の90辺を加えて(14辺+90辺=104辺)になる。メートル法で表すと、1辺が2.47mのため2.47×104辺=258.88mになる(図—22参照)。また、幅の広い基本形の設置部位を,基本形➂の設置範囲に限定すると、突出部分の増加分は2.5辺×20基=50辺となる。それにより突出部分は14+50=64辺となり メートル法で表すと2.47×64=158mになる。これにより、大きい石の運搬は必要な時に何時でも出来る状態になるが、突出部分に要する石の量は増加する。この量を減らすためには大きい石の運搬の終了後に、突出部分に使用した石を撤去してピラミッドの本体に使用する。これにより突出部分に使用した石の量を減らすことが出来る。