「真正ピラミッドの設計方針と運搬路」の論文の要旨
真正ピラミッドの大きさの設定、設計方針、建造方法、運搬路について、高さ、底辺の長さ、セケドの測定値に基づいて、計算により解析した論文です。要点を図表で示しました。
真正ピラミッドの設計方針。 1)クフ王のピラミッドの底辺の長さは、高さを半径とした円周の長さの1/4、カフラー王とメンカウラー王のピラミッドの底辺の長さは高さの1.5倍と1.6倍。 2) 高さの基本単位は腕尺3単位。 3) 底辺の長さの基本単位は、クフ王のピラミッドでは、「半径が腕尺3単位の円の円周の長さの1/4」(4.713腕尺)、カフラー王とメンカフラー王のピラミッドでは、腕尺3単位の1.5倍(4.5腕尺)と1.6倍(4.8腕尺)。 4) 高さの尺度を独立させて、腕尺3単位を新たな尺度の基本単位の「1高」,および、1段とした。さらに、それを真正ピラミッドの高さの共通の尺度とした。5)クフ王、カフラー王、メンカウラー王のピラミッドの底辺の基本単位の4.713腕尺、4.5腕尺、4.8腕尺を、新たな尺度の基本単位の 「1辺」とした。 6)各段の大きさは1段から100段までの整数で表した。段の高さは「高さの基本単位(1高)×段数」、底辺の長さは「底辺の基本単位(1辺)×段数」で表した。 7) 頂点から最下部までの高さと底辺の長さは、クフ王とカフラー王のピラミッドでは100高と100辺、メンカウラー王のピラミッドでは50高と50辺とした。 8)地上部分のピラミッドの大きさは、クフ王では93.32(93+1/3)高と93.32(93+/1/3)辺、カフラー王では91.52(91+1/2)高と91.52(91+1/2)辺、メンカウラー王では41.67(41+7/10)高と41.67(41+7/10)辺とした。 9)セケドは、クフ王、カフラー王、メンカウラー王のピラミッドで、5・1/2 、 5・1/4 、 5 ・3/5 とした。 10)腕尺、高さ、底辺の長さ、対角線の長さの尺度の定規を作り、これを使って、高さと底辺の長さの測定、位置の測定、角度の測定、建造、石の加工などを行った。
高さの基本単位を 「1高」、辺の基本単位を 「1辺」 に設定すると、各段の高さは 「1高×段数」、底辺の長さは 「1辺×段数」 となる。また、基本単位を使って角度を決める場合、高さの1高に対して底辺の長さが1/2辺の直角三角形の角度となる。その理由をセケドの計算から確かめると、セケドの計算式は(底辺×1/2×7(バーム)÷高さ)となるので(図-1)、クフ王のピラミッドでは、高さの1高が3腕尺、底辺の長さの1辺が4.713腕尺のため、(4.713×1/2×7÷3=5.4985=5.5)となり、セケド5・1/2 となる。カフラー王のピラミッドでは、高さの1高が3腕尺、底辺の長さの1辺が4.5腕尺のため、(4.5×1/2×7÷3=5.25=5+1/4)となり、セケド5・1/4 となる。メンカウラー王のピラミッドでは、高さの1高が3腕尺、底辺の長さの1辺が4.8腕尺のため、(4.8×1/2×7÷3=5.6=5+3/5)となり、セケド5・3/5 となる(表-3)。
運搬路の設計は、ピラミッドの1面に仮説の突出部分を造り、そこに13段目から93段目(地面)まで「幅、底辺の長さ、高さ、勾配」が一定の第1の運搬路を造り、他の3面に「幅、底辺の長さ、高さ」の異なる第2の運搬路を造る設計をした。さらに、大きい石の運搬路を別の部位に造る設計をした。
メンカウラ―王のピラミッドの運搬路の設計は、高さの1高を3腕尺、底辺の1辺を4.8腕尺として、クフ王の運搬路の設計を利用する。メンカウラー王の運搬路の起始部は42段目である。また、クフ王の運搬路の41段目から43 段目は基本形③ が1基設置される。そのため、メンカウラ―王のピラミッドの40段目より上はクフ王のピラミッドと同じ設計にして、42段目に基本形②(幅1.5辺、底辺20辺、高さ2高、勾配3.6度)を1基設置する(図-31)。